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ヲノサトル

[映画] 劇場で観た映画 2014


2014年も終わりということで年末恒例企画。1年間に観た映画を振り返ってみようと思います。DVDやTV放映などは挙げたらキリがないので、映画館で観た作品に限りますが。

パレスチナのあまりにタフな現実の中、それでも音楽に希望を見い出すラッパーたちの、ガッツ溢れるドキュメンタリー。イスラエル領内のラップグループとネットでつながり続けてきたガザ地区のグループが、移動の自由を阻む壁を越えてなんとかライヴステージに合流しようとする終盤の展開に胸熱。ラッパーの父親が「暴力は暴力の連鎖しか生まない…芸術を選んだ息子を誇りに思う」と語る場面など、落涙ポイント多数。

息子氏につきあって鑑賞。ドラッギーなまでにド派手な画面色に目がチカチカしました…

イスラム圏の女性が置かれた状況や生活が「たかが自転車」を通じて伝わってくる佳作。ラスト・シーンの疾走感と爽やかさ、泣けました。

ラッシュ/プライドと友情 これは絶対、轟音に包まれて大画面で観るべき映画だね。ニキ・ラウダ奇跡の復活ゴールでは思わず目から汗が…。ハンス・ジマーの音楽も、いつもながら職人仕事。

正直、北方領土に関する国策映画…?なんて、ちょっと構えて観に行ったんだけど、普通にイイ映画でした。劇中、クワクボリョウタくんの作品『10番目の感傷(点・線・面)』 にそっくりな場面が出てきて「え、パクリ…!?」と思ったら、エンドロールにちゃんとクレジットされてて安心しました。

今回もスカッとした!ラスト、街のヒーロー大集合のクライマックスでは目から汗が出ましたよ。そして映画史にまた一つ「大佐」の出る作品が増えた、と。

― この世には二種類の映画がある。大佐が出てくる映画と出てこない映画だ ― (樋口真嗣)

マチェーテ・キルズ 世界滅亡を企む悪者に主人公が徒手空拳で挑む!という今どき小学生も考えないようなくだらないプロット、そしてご都合主義の展開は、前作からの期待を裏切らない。とにかくヒドい!(褒め言葉)それにしても、これほど主人公がしゃべらない映画も珍しい。

STAND BY ME ドラえもん あいかわらず、のび太にはイライラさせられっぱなしです(笑)そしてラストは永遠に続くタイムパラドックスではないか?と思った。まあドラえもんに突っ込むのは野暮ですけど。

グランドピアノ 狙われた黒鍵 古典的というかヒッチコック的な「巻き込まれた男」型のサスペンス。一音でも演奏を間違えたらスナイパーに射殺される…!という設定に、人前で演奏をする人間としては他人事と思えず観に行ったわけですが…ちょっと後半しりすぼみな展開でした。なおタイトルの「黒鍵」はピアノのあの黒い鍵盤の事ではありません。(観ればわかります)

アナと雪の女王 とにかく、あまりにリアルなCG映像に感嘆。日本の「かぐや姫」とは真逆のハイパーリアリズム的なアプローチなんだけど、リアルすぎて不気味になるギリギリで「カワイイ」方向に絵作りを押さえこむバランス感覚が、さすがディズニー。中盤以降は全篇冬景色でむちゃくちゃ寒苦しいので、この季節ではなく、夏に「避暑映画」として公開してほしかった(当方、寒いのがとにかく苦手な体質なので)。ひとことで言えば男不要映画。

それでも夜は明ける 19世紀アメリカの奴隷制を描いた重い作品。観終えてあまりのヘビーさにぐったり。内容はとても一言で語れないが、ここぞという場面でのカメラ固定長回しシーンが映像音響ともに素晴らしく、「映画」的な美しさ横溢(きわめて残虐な場面も含めて)。

LEGOムービー 単なる子供向けのレゴ人形劇だろ?と軽い気持ちで観てたら、終盤は予想を超えて実写が入り、レゴとは、遊びとは何か、考えさせられるメタ展開。これには大人も胸熱です!

名探偵コナン異次元の狙撃手 アベンジャーズなみの身体能力で車を追い抜き空を飛ぶコナンくん。小学生じゃない、っていうより人間じゃないです。

脚本は中島かずきさん!期待にたがわず、P.K.ディック的な「記憶とは何か、アイデンティティとは意識なのか身体なのか?」という深いテーマで、最後はホロリとさせられます。クレヨンしんちゃんの映画はいつも絶対、大人に向けて作ってると思う。。。

銀の匙 動物かわいかったけど、内容はほとんど記憶に残ってません。。。

ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う! 「酔っぱらいの馬鹿話かよ」と思ってダラダラ観てると、途中から「…おいおい、こういう話か?」とのけぞらざるをえない、中二病全開の展開。「ホットファズ」に似てます。激闘中もなんとかしてビールを飲み続けるサイモン・ペグの酔拳振りに爆笑。あと酔っぱらいが、会話の中で何かちょっとした言葉が出るたびに「それバンド名にしたら超クール!」みたいにカラむのがおかしかった。

相棒-劇場版III- 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ サバイバルゲームとか好きな人は観たら良いんじゃないかと思いました。

ネイチャー よくこんな画が撮れるな?と思いながら観てたけど、エンドロール後に流れるメイキングで、これをどうやって撮ったのかスタッフのとてつもない労力がわかった。いや、ようやるわ…!

数十年前インドネシアで実際に起きた(そして今も正当化されたままの)虐殺事件を巡る、ものすごい映画でした。長回しが観客に投げかける問い。そして予想外の終盤。甘い音楽やダンスが一種の麻酔となって、殺人者の罪悪感をやわらげる役に立ったという話に、音楽家として複雑な心境。

プレーンズ2/ファイアー&レスキュー ピクサー映画の例にもれず、とにかく脚本がよく(映画としての良し悪しではなく、物語として伏線やら設定やら破綻なく)できてるわけです。とはいえ

『カーズ』シリーズから『プレーンズ』まで毎度毎度「過去を背負って引退した頑固なベテラン野郎が主人公のメンターになる」ってパターンは、さすがに食傷気味。。。

思い出のマーニー 徹底的に男性不在というか不要で、各世代の女性たちだけで完結する話。そういう意味で、男性不要映画の金字塔「アナ雪」とある意味、似た映画だったようにも思え。

元祖アニメとは無関係な、「仮面ライダー」みたいな荒唐無稽アクションとして、楽しめました。食事シーンの重視、裏切りと友情のモチーフなどには、どことなく香港映画っぽさも漂ていた。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー 「最初は反目しあっていた負け犬たちが力を合わせて闘う」という展開はお約束だけど、メンバーのキャラがとにかくイイ。笑った、泣いた。音楽もしょっぱなから10cc、戦闘シーンではランナウェイズとか、懐メロ満載のサウンドトラックにニヤリとさせられる。

エクスペンダブルズ3 ワールドミッション これはもうアクション映画界の「スターかくし芸大会」なんで、映画として評論するのは野暮ってもの。例によって男汁あふれる人情アクションっぷりは「原作・望月三起也」だったとしても驚きません。最後に皆を逃がして一人で闘うスタローンは、完全に飛葉ちゃん(ワイルド7)だった。

インターステラー 『ゼロ・グラヴィティ』へのアンサーソングみたいな作品。ぐったりずっしり疲れました。もう当分、宇宙には行かなくていいや…。

寄生獣 え、そこで終わるんだぁ?!と思ったらやっぱり来春完結編ってか。原作全巻もってます。「他の生物を犠牲にして生きるのは悪か?」というテーマが深い。刑事を演じる國村隼さんがとにかくシブいね!

仮面ライダー×仮面ライダー ドライブ&鎧武 MOVIE大戦フルスロットル 全てをシステムに一体化させようとする悪の勢力と、個人の自由を守るためなら死神とも手を組む仮面ライダーの戦い。そんなストーリーを通じ、これは全体主義国家への警鐘を鳴らす政治的メッセージ!…と深読みしました。

ベイマックス 理系というか工学部系ヒーロー映画でした。近未来都市"サンフラン奏京"が魅力的で、続篇も作られそうな予感。また『キックアス2』の「イケてないフツーの子がヒーローになれるのか?なったらどういう問題に直面するのか?」というテーマにも共通するものを感じた。

…こうして並べると、あいかわらず息子の「おもてなし」として日曜にシネコンで観るアニメとかも多い日常なのですが。自分ひとりだったら多分観ないであろう映画が観られて、子連れ映画もなかなか楽しいものです。

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