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ヲノサトル

額に水を落とされる


ここ数週間、真上の部屋でトンテンカントンテンカンとリフォーム工事が続いてるので、あらためて思うのだが。予測のつかない間歇的なノイズに、人は耐えられない。

規則的なノイズが延々続いているなら、不快ではあってもやがてその状態に慣れるのだが。音がしなくなったな、と安心した頃合いでまたトンテンカン、とやられるのは、実に神経にさわる。

昔の中国の拷問だか刑罰だかで、罪人の額に水をピチョン、ピチョンと垂らし続けると数日で発狂する…というのがあったというが、これも規則的に垂らすより、あれ?垂れてこないな…と思う頃にまたピチョンと垂れてくる方が、早く発狂するように思う。

電車や公共の場での携帯電話の使用が不愉快とされるのも、マナーという建前よりもこの不規則さ、言い換えれば「読めなさ」の不快感が理由ではないだろうか。

ピロリロ〜♪「あ、もしもし」「うん」「え?山田が?」「それってやっぱり先週のチョモランマ?」「まいったな」「え?500万?」「わかった、いま電車だから折り返すよ」プツッ

…………山田が何したんだよ!500万って何だよ!先週チョモランマで何があったんだよ!

同じ車両に乗り合わせた全員が、額に水を落とされている罪人のような表情を浮かべている。

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