• ヲノサトル

[映像] メディアを遊ぶ


数日前に公開された、このミュージックビデオが話題を集めている。

(※ この動画はスマートフォンで観ることを強くお勧めします)

lyrical school "RUN and RUN" dir. 隈本遼平 (AOI Pro)

(今じぶんの観ているのが映像作品なのか、スマートフォンのメニュー画面なのか、わからなくなっちゃいませんでしたか?)

なにしろ縦長の画面構成が新鮮。っていうか、日頃からスマートフォンの縦長画面に慣れてるくせに、「ミュージックビデオ」「映像作品」となると昔ながらの横長画面が当たり前、となぜか思いこんでしまっていた自分の先入観が、あっさりくつがえされる。

そして映像作品という「コンテンツ」の中に、そのコンテンツを流すための外枠である「メディア」そのものや、コンテンツを読み出したり操作するための「インターフェース」をも映像として取り込むトリッキーなアイディアには、ニヤリとさせられた。

こうした「メディア自体を遊ぶ」発想の作品、これまでもなかったわけではない。たとえば昨年のこちら。

安室奈美恵 “Golden Touch”

dir. 川村真司(PARTY NY) + Kenji Yamashita (LOGAN)

これもPC画面じゃ面白くない。スマートフォンで観ることが前提。しかも画面に指を乗せたまま観る、という制約によって、ゲームのように自分が映像を動かしているような、インタラクティヴに映像と触れ合っているような錯覚をおぼえる作品だ。

またスマートフォンの前段階としては、パソコンのブラウザ画面という「メディア」を遊ぶ発想の作品も、数年前から見かけるようになった。

SOUR “映し鏡” (2010)

dir. Masashi Kawamura + Qanta Shimizu + Saqoosha + Hiroki Ono

Arcade Fire “We Used To Wait” (2010)

dir. Chris Milk

次はカンヌ・フェスティバル2013 のインタラクティヴ・ビデオ部門で金賞をとった作品。

ALB “Golden Chains” (2013)

dir. Jonathan Broda

最後はこれ。ブラウザ画面の中だけでなく、スマートフォンやタブレットという物理的なガジェットじたいを遊んでみせる作品。

Brunettes Shoot Blondes “KnockKnock” (2014)

dir. Brunettes Shoot Blondes

ディスプレイにうつる映像もかわいいけど、部屋の空気感とか、そこに人がいて実際に手で動かしている感が、作品のなんともいえない温かい印象につながっている。

最初からあるものとして誰も疑わない「メディア」という枠の中だけで作品を作るのではなく、そもそも「メディア」って何なの? とその存在を可視化し、意識させてくれるこういった作品たち。

これからも新しいメディアやインターフェースが生まれ、更新されるたびに、どんどん出現してくるのだろう。

#映像

Copyright © 2020 Satoru Wono All rights reserved.