映画「ドリーム」泣いた!
最初、少女時代の主人公が黒板に数式書くところから始まり、全篇が胸熱エピソードの連続で、5分に1回ぐらい泣き続けた。やたら善人ばかり出てくるので(ひょっとして、この後ひどいことになるのでは…)と気が気じゃなかったけど。
昔のアメリカの話ではあるけれども、現代の日本社会にも男/女や正規/非正規の間で大きな格差や差別がある現実を思えば、他人事とはまったく思えないストーリーだ。 とはいえ本作では、この時代の「宇宙開発」が天真爛漫な夢などではなく、あくまでも冷戦下、核への恐怖も含めてソ連と覇権を争う「代理戦争」であったことも描かれている。
「アカ」という外部への敵視や偏見が、共同体の内部では女性やアフリカ系への偏見を解除していった経緯も伺い知れ、なかなか複雑な気分にもなる。 作中には、「理論よりも数字を信じる!」とか、イカしたキメ台詞がたくさんあったけど、個人的に丸暗記しておきたいと思ったのは、NASA初の黒人女性エンジニアになった女性が白人判事を説得した時の "I have no choice but the first" (自分が前例になるしかないのよ!)という言葉。
こういう言葉は、前例にない新しいことを
自力でやってイノベーションを起こすのを尊ぶアメリカ文化(フロンティア・スピリット?)にとって伝家の宝刀だろう。こう言われると反論できないのではないのかな。さて日本だったら…? と考えてしまった。