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ヲノサトル

「イナンナの冥界下り」リトアニア公演


というわけで「イナンナの冥界下り」、昨年の那須、渋谷公演に続いてリトアニア公演に出演してまいりました。

詳しい旅レポートは、安田一座の公式ブログからどうぞ。

+ + +

この一座は、いつもギリギリまで何も決まらないので(今回に至っては1週間前まで会場もホテルも知らされず…)全てキッチリ事前に決定してないと不安になるタイプの人だと胃に穴があくかもしれない。が、当方のように「じゃ、まあ、現場で…」で大体のことを済ます人間にとっては、むしろたいへん気楽なプロジェクトなのだ。 しかも安田さんの「出たとこ勝負」は、単に怠惰でギリギリまで決めないわけではなく、「能」の世界では演出を事前に決めず集まったその場でセッションしていくのが流儀、という伝統的な根拠に基づいている(たぶん)。 安田さんにきいたら「能」では練習というものをしないらしい。能楽師たちが集まってきて、演目を演じて終わり。

それができるのはもちろん、既に何百年も続けられて完成した物語を、全員が共有しているからではあるだろう。

だが、それだけではない。能は観客に観せようと演じられる「ショー」ではなく、人間よりも上の次元("神"と呼んでもいい)に捧げられる儀式や祭りのようなものであって、観客は一緒にそれを目撃する共犯者にすぎない、という感覚が、根底にあるのではないだろうか。

+ + + そんな安田さんのバイブスに共振するのか、この一座に集まるのは、放っておいても自分で勝手に何かやっちゃう人である。そういう人が集まれば、特に指示などなくても物事は進行する。練習しなくても本番はなんとかなる、という妙な安心感がある。

コンピュータやゲームのプログラミングにたとえれば、安田さんが全体のアーキテクチャをざっくり設計した後は、担当プログラマが各自ばらばらにサブ・ルーティンを作りこんでおき、会場入りして初めてそれらがマージされる。

スタートボタンが押されたら、あとはひたすら火事場の馬鹿力というか自転車操業で、止まらないようデバッグを続けながら最後までプログラムを走らせる。そんなイメージ。

さて、この「イナンナ」プロジェクト。この春から全くちがうバージョンで、再起動する予定らしい。例によって、どんな舞台になるのかは今のところ(いや、たぶん本番まで)まったくわからないが(苦笑)……。

今回、当方の機材セットは荷物を少なくするため、超最小限のシステムで構成。

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