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ヲノサトル

エンジニアは語る


某レコーディングスタジオ。作業のほとんどの時間、我々スタッフはエンジニアさんの背中を見続けているのです

これまでスタジオに入るたび、エンジニアの方に「何をやってるんですか?」「なぜそうするんですか?」などと無遠慮に質問してきた。皆さん丁寧に教えてくれた。

教えたぐらいで技術が盗まれるとか自分の価値が減るなんて思わず、むしろ「よくぞ訊いてくれた!」とシェアできることを喜んでるように見えた。

人間には、自分が身につけた知恵や技能を占有して個人的な利益を得たいという感情よりも、せっかく得たそれらを誰かに伝えたいという欲求の方が強い人って、一定数いるのではないかな。

そして人類史の中では、そうした欲求の強い人が多い共同体が、結果的に生き残ってきたのかもしれない。

また、エンジニアって言わば「裏方」なので、ものすごく独創的なことをやっていても残るのは「結果」だけ。

だから、その独創的な「プロセス」について質問されると「よくぞ聞いてくれました!説明しよう!」とはりきる心理もあるのではないかな。作曲家や編曲家も同じ裏方なので、その気持ちはわかる(苦笑

また、訊かれる立場として振り返ってみれば「あれ?そう言えばなんで俺こんなことやったんだっけ?」とふりかえって客観視できる機会でもある。それは、他者との「知の結合」から、「大きな知」が生まれるチャンスなのだ。

(2018.11.14)

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