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  • ヲノサトル

マドンナ - ヴォーグ


Madonna - Vogue (1990)

ポーズをキメて ポーズをキメて ヴォーグ ヴォーグ

見えるのは 心の痛みばかり 行くところ どこだって あなたは 何だって試す 生きる苦痛から 逃げたくて

何もかもダメ でも思うでしょ 今日よりは 良くなるって だったら 逃げ場はあるよ ダンスフロアっていうんだ そのための場所なんだ

さあ ヴォーグ 音楽に乗って 身体を動かそう さあ ヴォーグ  フロウに乗って 身体を動かそう あなたならできる


必要なのは 自分だけのイマジネーション 使おうよ そのためにあるんだから 中に入れば 最高のインスピレーション 夢さえあれば 扉は開くんだから

黒でも白でも 関係ない 男でも女でも 音楽が流れ出せば 新しい人生が始まる あなたはスーパースター それがあなた

さあ ヴォーグ  音楽に乗って 身体を動かそう さあ ヴォーグ  フロウに乗って 身体を動かそう あなたならできる

美は 自分で見つけるもの ただ 腰を振ってるだけじゃダメ 魂は ミュージカルの中にある それはビューティフルで マジカル 人生は舞踏会 さあおいで ダンスフロアへ

ヴォーグ

美は自分で見つけるもの(音楽に乗って) ヴォーグ

美は自分で見つけるもの(フロウに乗って)

グレタ・ガルボ マリリン・モンロー マレーネ・デートリッヒ ジョー・ディマジオ

マーロン・ブランド ジミー・ディーン 雑誌の表紙になっている

グレース・ケリー ジーン・ハーロー 美の女王の写真

ジーン・ケリー フレッド・アステア ジンジャー・ロジャース 宙に舞う

自分だけのスタイルがあって 優雅で リタ・ヘイワース

きれいな顔で

ローレン・バコール キャサリン・ヘプバーン ラナ・ターナー ベティ・デイヴィス 愛してる

自立心あふれる 淑女たち 雰囲気あふれる 仲間たち 突っ立ってないで さあ行くよ ポーズをキメよう それだけよ

ヴォーグ 音楽に乗って ヴォーグ フロウに乗って とにかく 身体を動かそう 音楽に乗って とにかく 身体を動かそう フロウに乗って とにかく ヴォーグ

ヴォーグ(1990)

作詞/作曲:マドンナ&シェップ・ペティボーン

訳:ヲノサトル

今から四半世紀以上前の作品だが、いまだに色褪せない名曲そして名映像。監督はデヴィッド・フィンチャー。ミュージックビデオ史の中でも、最も好きな作品の一つだ。

美大の講義でも毎年、必ずといっていいほど紹介しているので、参考までに拙訳を掲載してみた。直訳ではないけれど、原詞の響きや脚韻、歌唱の雰囲気をなるべく生かしたつもり。

マドンナは前作『ライク・ア・プレイヤー』(1989)からガラリと作風を変え、この頃からクラブ・サウンドを大胆に導入。映像のキャスティングにも、人種やジェンダーを超えた多種多様な出演者を起用。以後はビジュアル的にもサウンド的にも、常にその時々の先端カルチャーを積極的に導入するアーティストとなっていったのは周知の通りだ。

極上のハウス・クラシックというべきサウンド・プロダクションの完璧さ。モノトーンでスタイリッシュな映像美。そして何よりも、人生の苦しみから逃れさせてくれる音楽、ダンス、芸術や美の力を讃える、歌詞が素晴らしい。

そもそも『ヴォーギング』とは、貧困層・アフリカ系・ゲイ……と何重にもマイノリティの人々が、1980年代のニューヨークで夜な夜な楽しんでいたクローズド・パーティでの遊びが、次第に様式化されていったダンスだ。

そういったアンダーグラウンドなパーティの様子は、たとえば本作と同じ90年に制作されたドキュメンタリー映画 『パリ、夜は眠らない。』 でも垣間見ることができる。日頃は偏見や差別の対象として居心地悪く暮らすマイノリティたちが、自分を解放できる唯一のコミュニティとしてパーティに熱狂する様子が、よくわかるフィルムだ。

個人的にはリリース当時、歌詞などろくに理解もせず、サウンドのクールさに酔いしれていただけだったのだが。

年々、ここでマドンナが掲げるメッセージ ── 白でも黒でも男でも女でも関係ない。「美」があれば、「音楽」があれば、魂は救われる。さあ踊ろう! ──という強いメッセージの方に、心をうたれるようになってきた。

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